日本レスリング協会は2月29日、3月27日から29日に新潟市体育館で開催予定の全国高校選抜レスリング大会の中止を発表した。

新型コロナウイルスの感染、拡散防止のため。1953年(昭28)の第1回大会から新潟市で開催されてきた伝統の大会で、過去の中止は64年の新潟地震の影響を受けた65年から69年、東日本大震災が発生した11年。自然災害以外での中止は初になった。

県高校スポーツ界の年度変わりの風物詩だった大会も新型コロナウイルスの脅威にさらされた。新潟県央工教諭で全国高体連レスリング専門部の原喜彦副理事長(56)は「開催準備はできていたが、今の情勢を考えれば早めの判断が必要」と話した。

2月27日に安倍晋三首相が全国の小中高校に2日からの臨時休校を要請。それを受け、新潟県の県立高校は2日から休校が決まった。部活動も自粛で練習もできない。全国的にも同様の環境の選手が多数いる。「練習不足の上、減量もしなければならない。試合をすればケガの不安がある」(原副理事長)。県1位で団体戦出場予定だった八海の関川博紀監督(46)は「感染防止を考えればこうなると思っていた。選手には自主トレをして体力を落とさないよう指示する」と話した。