バスケットボール男子Bリーグの滋賀レイクスターズは23日、新型コロナウイルス感染予防におけるチームでの取り組み、見解を表明した。

前日22日に米国への帰国が発表されたジェフ・エアーズ(32)が米スポーツ専門局ESPN電子版で、新型コロナウイルス感染拡大を受けたリーグやチームの対策に、不備があったと帰国の理由を主張していた。

滋賀の西村大介社長は「Bリーグから行動指針が共有される以前より、選手やチーム関係者から感染者や濃厚接触者を出さないよう、スタッフと密にコミュニケーションを取りながら対策を行ってまいりました。しかしながら、選手たちの不安を完全には拭いされないまま、3月14日と15日の試合に臨んだことについては事実であり、さらに選手の声をくみ上げ、安全に気を配った対応が必要であると感じています」とコメントした。

滋賀は今季の活動をスタートさせた19年7月から、オンラインシステムを用いた選手コンディションのモニタリングを実施。専用アプリ経由で日々の体調リポート提出を義務づけ、この情報は西村社長を含むフロント編成部も共有している。

コーチングスタッフとフロント編成部は週に1回程度、定例のミーティングでBリーグの決定やチーム内の変化など、状況についての意志共有を行っているという。

滋賀における新型コロナウイルス対応の経過は以下の通り。

◆1月下旬 チームに対する注意喚起を行い、練習前後のこまめな手洗い、うがい、消毒を奨励

◆2月26日開催予定試合の延期が決定された段階 警戒レベルをさらに高め、選手の家族を含めた感染予防策の徹底を呼びかけ。この時点でガイドラインなど強制力のあるルール決定には至っていないが、手洗い、うがいの徹底や人混みを避けるなど、基本的な予防策についてミーティングで情報共有

◆3月12日 Bリーグ行動指針(ガイドライン)が共有される。

◆13日 チームミーティングでガイドラインを共有。複数の選手から試合実施に対する不安を訴える声があり、練習を中止して、選手からの意見を集約

◆14日 エアーズを含む3人の外国籍選手とクラブ幹部が面談の上、14、15日のA東京戦(無観客試合)欠場を承諾。3選手とはリーグに対して状況改善の要望をクラブとして行うことを約束した上で、18日に再度協議を行うことで合意

◆17日 エアーズが帰国の意志を固めて米国へ。クラブとして「リーグ再開までのガイドライン」を決定

◆18日 ミーティングからチーム活動を再開

◆19日 「休日も毎朝検温し、体温計の写真で報告」など、ガイドラインの厳格な運用の下で練習実施

西村社長は今後に向けて「チームでは体温測定の義務化、全体練習や集合の見合わせ等、ガイドラインに沿った活動を再開しておりますが、今後も新型コロナウイルスをめぐる情勢の変化に対しては、迅速かつ柔軟な対応に努めて参ります」とコメントした。