三本木農が青森県総体の代替大会で男女団体アベック優勝を果たした。女子のエース小野寺沙々音(ささね、3年)は個人と2冠。「男子は3連覇、女子は2連覇、個人でもトップを取れたので良かったのですが、やっぱり全国大会がなくなってしまったのは悔しいなと思う」。出場予定だった3月の全国選抜(静岡)での個人入賞、7月の全国総体(三重)では団体表彰台を狙っていただけに、悪天候を克服した県制覇にも完全燃焼は出来ていない。

小中学校ではサッカーやテニスをしていたが、入学後「強いところで強い人になりたい」と強豪アーチェリー部入部を志願した。正月、お盆以外は連日の練習で心と体を鍛え、時には仲間とカラオケで気分転換。「男女とも仲が良いし、助け合ったりアドバイスしたりして強くなってきた。でも、てっぺんの強い人にはなれていないので、大学ではインカレで結果を出したい」と決意を新たにした。

切磋琢磨(せっさたくま)してきた女子個人準優勝の岡田咲桜(さくら、3年)も「近くにライバルがいたから2人で強くなれた」と感謝した。男子の大村和央(わお、3年)も「主将になってから同期も後輩もついてきてくれて精神的にも成長できた」。卒業後は動物の飼育員になるため、北海道の専門学校を受験予定だ。メダルを手に、次の目標へ狙いを定めた。【鎌田直秀】

○…男子個人は名久井農・田中伶岳(りょうが、3年)が競り合いを制した。コロナ自粛期間は自宅車庫に畳を設置し、約3メートルの距離で練習。「久しぶりの大会で楽しめたし、外してしまっても焦らずに出来た。自己ベストを狙っていたので満足はしていないけれど、結果オーライ」。自己ベスト620点には40点以上及ばなかったが「地元の八戸工大に進学して国体に出たい」と全国上位への挑戦を続ける。