新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、今秋開幕予定のバレーボールのVリーグでは、外国人選手や指導者の来日めどが立たないチームが続出している。女子1部の埼玉上尾のレルバッキ新監督(62)は16日現在、母国ブラジルからの来日めどが立っていない。同国は新型コロナウイルス感染者数が世界2位で、渡航制限が出ている。

若手育成に定評がある同監督は、昨季3位の埼玉上尾を悲願の初優勝に導くため抜てきされた。昨年まで男子1部の堺でアドバイザーコーチをしていた。チームの始動日の6月1日に来日予定だったが、今もブラジルにいる。日本入国に必要な書類は発行されたが、ブラジルの受付窓口閉鎖により、就労ビザの申請ができずにいる。

週2度、スタッフを交えたリモート会議で、チーム状況をチェックし“指導”している。10月17日の東レとの開幕戦(石川)に間に合わなければ、コーチが代行で指揮することも想定しつつ、リモート指導を続けている。

主将で日本代表候補にも名を連ねるリベロ、山岸あかね(29)は「監督が来られないからといってマイナスにはとらえず、とにかく来てくれるのを待っています」。新シーズンは他に外国人選手2人がチームの一員として戦う。「いろいろな状況を想定して、しっかり戦える準備をしていきます」と意気込みを語った。

指揮官は「チームは順調に成長を遂げている」と手応えを感じているようだが、指導は当然、思うようにはいかない。自身の処遇だけではなく、国内リーグの発展が来夏の東京オリンピック(五輪)で日本が好成績を上げるために不可欠だと主張。例年通り外国人選手らが参戦ができる環境を整えるべきと訴えたが、コロナ禍でスポーツ最優先とはいかず、厳しい状況が続く。【平山連】