2度の4大大会優勝を誇る世界10位の大坂なおみ(22=日清食品)が、ベスト8に進出した。同25位のヤストレムスカ(ウクライナ)を6-3、6-1のストレートで下した。

「この大会を全米の前哨戦としては見ていない。本当に優勝したい大会と思っている」。準々決勝では同20位のコンタベイト(エストニア)と対戦する。対戦成績は大坂の3戦全勝。

相手のコーチは、大坂の元コーチのバイン氏だ。大坂の指導で世界へのコーチ・デビューを果たし、18年全米、19年全豪の2度の4大大会優勝に導いた。その全豪直後に、コーチを電撃解任されたが、大坂の短所も知り抜いた知将だ。しかし、そのバイン氏を敵に回しても「どうしようもないことは、あまり気にしない」と眼中になし。わずか70分で元コーチを返り討ちにした。

この日も前日の2回戦に続き、ピンチになっても、ミスが出ても“声なし”作戦で冷静そのもの。「この日も、とても落ち着いてできたわ」。自分のサービスゲームを1度も失うことなく、年下20歳の新星に実力の違いを見せつけた。

最後のマッチポイントは何と相手が第2サーブで、打つ前に足がベースラインに触れるフットフォールト。これでダブルフォールトとなる異例の幕切れで「変な終わり方だったわ」と、大坂もあっけにとられた表情。それでも余裕しゃくしゃくの笑顔で締めくくった。