新型コロナウイルス感染拡大後、東京オリンピック(五輪)競技の屋内・対人種目では初の全日本級として開催されている大会の決勝が行われた。17~19日に行われた予選を勝ち抜いた男女6種目の計12人が日本一を争った。

第3試合は女子フルーレが行われ、菊池小巻(23=セガサミー)と辻すみれ(20=朝日大)が対戦。昨年の決勝と同じ顔合わせとなった。

19年は辻が15-8で勝って2連覇を目指す中、第1ラウンド(R=3分間)は辻が5-4でリード。しかし、インターバルを挟んで第2ラウンドに入ると菊池が3連続ポイントで7-5と逆転。ところが今度は辻の9-8、菊池の10-9と逆転の連続で肉薄。第2Rを12-12の同スコアで終えた。

迎えた最終の第3R。菊池が一気の3連続ポイントで優勝。昨年は準優勝に終わった借りを返し、4年ぶり2度目の頂点に立った。

菊池は「1本目から緊張していて、最初に2点を取られた時に『どうしよう…』と思ったけど、しっかり気持ちをコントロールできた。辻選手のコントルアタック(カウンター攻撃)対策を決勝まで練習してきたので、それを阻止しながら自分の技を決められた」とリベンジを果たした喜びを語った。

2連覇を逃した辻は「緊張して勢いにのまれた。自分らしいプレーができなかった」。人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」仕様のヒルト(持ち手)で挑んだが「ATフィールド」とも呼ばれる日本トップクラスの守備を破られた。試合中は絶叫の連続で感情をあらわにしたが「暴走」「覚醒」からの優勝は来年以降に持ち越しとなった。【木下淳】