2018年平昌オリンピック(五輪)6位でショートプログラム(SP)首位の坂本花織(20=シスメックス)が、今季初戦で優勝を飾った。

フリーもトップの143・47点を記録し、合計218・35点。2位の河辺愛菜(木下アカデミー)に29・87点の大差をつけた。

演技を終えた坂本が思わず笑った。

「ちらっと見えたのが4分11秒だったんで『なんでタイムオーバーしたんやろ?』ってびっくりしました」

フリーは4分プラスマイナス10秒が認められているが、4分10秒をオーバー。2季目の「マトリックス」だが、シーズン前に曲や振り付けを微調整しており、その影響が考えられる。演技時間で1点減点となったが、これも今季初戦ならではのことだ。坂本の表情は終始明るかった。

「初戦で(フリー)140(点)とか出たことなかったし、すごいうれしい気持ちでいっぱいです」

演技後半のダブルアクセル(2回転半)からの3連続ジャンプでは、ジャッジ5人中4人が出来栄え点で4点(最高が5)と評価。演技構成点も5項目全てで8点台後半(10点満点)を記録した。スピンやステップでレベル3(最高は4)と伸びしろがあるからこそ、満足する気持ちはない。

「だいぶ体力はショート(SP)もフリーも持つようになった。ジャンプのクオリティーとか、フリーではスピンの取りこぼしあったので、明日から練習していきたいと思っています」

全日本選手権6位など悔しさを味わった昨季。巻き返しへ、自ら吹かせた追い風に乗る。【松本航】