2大会連続の花園出場を狙う県立浦和が、9トライ8ゴールで快勝発進した。

開始2分半、強力FW陣が得意のモールで押し込み先制トライ。順調な滑り出しに見えたが、その後相手にミスを突かれ、トライを許し、同点とされた。9カ月ぶりの実戦、久しぶりの芝で、いつもより長い30分ハーフでの試合。フッカー山際毅雅主将(3年)は「アップはいい雰囲気だったが、試合では少し硬くなったかも」と反省を口にした。

100キロ近いFW相手に序盤は苦戦したが、徐々にいつも通りの下に入るタックルで倒しにかかった。プロップ大塚和也(3年)は「こっちは大きくても95キロ。自分も94キロ。ずらしながら進んでいくのが自分たちのモール」と得意なスタイルで点差を広げた。

花園の経験がタックルへの意識を強くした。3回戦で優勝した桐蔭学園(神奈川)と対戦。飛び込んでも全く動かなかった。大塚は「相手にボールが渡った瞬間に入ったけど、全く動かなくて、そのままラックを作られた」と自粛期間中も体力強化に取り組んだ。この日は2トライに抑えたが「個々で行くのではなく、もっと組織的に動かないと上では勝てない」と反省も忘れない。

準決勝は2年ぶりの花園を狙う深谷と11月7日に対戦。1月以降、コロナ禍で大会がなく、練習試合でも戦っていないため、お互いの情報はない。この日の試合はアップの最中で選手は見ることができなかった。観戦した山本監督は「アタックが速いし、足の速い選手もたくさんいる」と警戒する。

勝ち上がれば新人戦優勝の川越東も控えており、記念大会で2校が出場できるが、厳しい戦いとなるのは必至。山際は「(他校が)どんなチームになっているか分からない。1カ月近くあるので、しっかりビデオで研究して、個々が目標を持って準備したい」と意気込んだ。深谷自慢のバックス陣を、県立浦和が自慢のディフェンスで受け止め、花園に王手をかける。【松熊洋介】