過去は振り返るな! ラグビーのトップリーグ(TL)NTTドコモを指揮するヨハン・アッカーマン新ヘッドコーチ(HC、50)が12日、チーム改革に自信をのぞかせた。

大阪市内で行われた入団会見に出席。新型コロナウイルスで打ちきりとなった20年シーズンは神戸製鋼に0-97と大敗するなど、苦しい戦いを強いられた。だが、新HCは力強かった。

「昨季のことは忘れてほしい。過去のことは振り返らない。真新しいチームと思ってほしい。自分たちらしい攻撃、防御をする。見ていてエキサイティングなラグビーをしたい。先しか見ていない。過去のことは気にしていない」

その手腕で残した実績は本物だ。南アフリカでは年間最優秀コーチ賞を3度受賞。17年からはイングランドに渡り、グロスターのHCを務めた。10月下旬にNTTドコモへ合流。早速、選手たちには「練習と練習の合間に、なぜ歩く。歩いている選手も悪いが、見過ごす周りも残念だ」と声をかけるなど、チーム文化の構築に取り組んでいる。

こだわるのは組織に対する理解であり、団結。「なぜ、ラグビーする?」「なぜ、このチームでプレーする?」。その共通認識を持つことに重点を置く。この日の記者会見には元ウェールズ代表SOオーウェン・ウィリアムス(28)、南アフリカ代表WTBマカゾレ・マピンピ(30)が同席。ウィリアムスは同じグロスターからやってきた司令塔、マピンピは同じ南アフリカ出身で特徴をよく知る。

「オーウェンは前のチームも同じで、私の考えをよく理解してくれている。彼は12番(CTB)の経験も豊富。キックの能力が非常に高い。マピンピは世界有数のWTB。ケガさえなければ、役目を果たしてくれる。(戦術的にも)彼にとっていいプラットフォーム(道筋)を作りたい」

15、19年W杯にニュージーランド代表として出場したSHのTJ・ペレナラ(28)も12月中の来日を予定する。情熱に満ちあふれた名将は「日本人の選手はハードワークをする。そこに海外の選手の経験を足すと、どんな風になるか楽しみです」とほほえみ、21年1月開幕のTLに照準を合わせた。【松本航】