ノルディックスキー・ジャンプ男子ワールドカップ(W杯)が21日のポーランド・ビスワ大会で開幕する。新型コロナウイルスの影響で帰国時の制限や、2月の札幌大会の中止もあり、海外遠征が3月のシーズン終了まで続く可能性もある。小林陵侑(24=土屋ホーム)ら日本勢は、異例のシーズンを戦う。

例年は年末年始のジャンプ週間前と、年明けの札幌大会出場のために一時帰国することが多い。帰国すると14日間の自主隔離の可能性があり、今季は国内でのW杯もない。約4カ月帰国せずに海外転戦する可能性がある。小林陵は「僕はあっち(海外)の人間なんだ、暮らすんだって思い込むしかない」と覚悟を口にして日本をたった。

コロナ禍で迎える22年北京五輪プレシーズン。2月には北京五輪の会場でのW杯個人戦2試合が予定され、さらに同月にはドイツで五輪前哨戦となる世界選手権が行われる。全日本の宮平秀治ヘッドコーチ(47)は「メダルが目標」と掲げる。昨季W杯2勝の佐藤幸椰(25=雪印メグミルク)は10月から国内大会4勝と好調。小林陵もあと1勝で葛西が持つ日本人男子最多のW杯通算勝利数17に並ぶ。宮平ヘッドコーチは「日本選手の準備は順調。春や夏のトレーニングも制限があるなか、しっかり取り組めた」と自信を見せた。