B1新潟アルビレックスBBは26日、中之島体育館で練習を行った。25日に契約した新外国籍選手のPFアレン・ダーラム(32)がこの日から合流。“新潟デビュー”が予想される12月2日のアウェー秋田ノーザンハピネッツ戦に向けて始動した。18-19年シーズン途中に入団した滋賀レイクスターズではB1残留に貢献している。ここまで5勝10敗で東地区8位と苦戦する新潟でも巻き返しの切り札になる。

筋骨隆々の体を、ダーラムは軽快に操った。ハーフコートで行った実戦形式。相手のブロックをかわして3点シュートを決めると、スペースを突いてドライブからレイアップ。ルーズボールを拾った後、そのまま高々とジャンプしてリングに沈めた。持ち味のリング下での多彩なプレーを披露した。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、来日後2週間の隔離期間を終え、この日初めてチームメートとともに汗を流した。「ものすごくエネルギッシュ。ベテランも若手もいて、バランスがいい」と新潟の雰囲気に好感を持った。

198センチ、100キロのサイズはインサイドプレーヤーとしては小柄だが、当たり負けしない強さとしなやかさがある。愛称は姓名の頭文字から「AD」。「でも、コート内では『ハルク』と呼ばれているよ」と笑う。米国コミックのヒーロー「超人ハルク」を思わせる体格は高校時代から食事の管理と肉体強化をしてきた成果。来日前は母校のグレーズ・バイブル大で1日2度の練習をし体力を維持してきた。隔離期間中も自宅で筋トレに集中したという。

滋賀にはシーズン終盤の19年2月に加入し、18試合に出場。この間、滋賀は10勝8敗と勝ち越してB1残留を決めた。ダーラムは15試合で2桁得点、2桁リバウンドの「ダブル・ダブル」をマーク。高い身体能力だけではない。「武器はバスケの知識」と自負するように欧州、フィリピンなどでプレーした経験からくる勝負勘も鋭い。

新潟でも低迷脱出のキーマンの期待がかかる。「自分もそうなりたい。チームファーストで、チームメートを助けるプレーをする」。温和な笑みの奥に闘志をしのばせた。【斎藤慎一郎】

<福田監督「走力」期待>

福田将吾監督(36)もダーラムに期待を寄せた。「ウォッシュバーン、アレンも加えて外国籍選手3人とも走力がある」とアップテンポのスタイルを熟成させる基盤が整った。もっともダーラムの仕上げには慎重だ。2月に韓国・釜山KTを退団後、実戦から遠ざかるだけに「ケガには気をつけないと」。戦術の浸透、コンディション調整も含め「チームとして年明けには精度が上がった状態にしたい」と話した。

◆アレン・ダーラム 1988年7月9日生まれ、米国出身。グレーズ・バイブル大を卒業後、ルーマニア、フィンランド、イスラエル、フランス、フィリピン、ウルグアイでプレー。18-19年途中にB1滋賀に入団。18試合出場で1試合平均22・3得点、同リバウンド13・2、同アシスト4・5。19-20年はフィリピンPBAのメラルコ・ボルツ、韓国Kリーグの釜山KTに所属した。198センチ、100キロ。背番号5。