【第3試合】

世界ランキング日本勢トップの20位につける敷根崇裕(22=ネクサス)が、スーパー高校生の飯村一輝(16=京都・龍谷大平安2年)にリベンジした。

9月の全日本選手権は準々決勝で対戦。一時は9-2と最大7点リードを奪いながら大逆転負けを喫した新星を相手に、この日は中盤から主導権を握った。冷静な突きを重ねて5-5から3連続ポイント、11-9からは4得点を連取して突き放し、6点差をつけて借りを返した。

対する飯村は、全日本の1回戦で“UberEats三宅”こと12年ロンドン五輪(オリンピック)団体戦の銀メダリスト三宅諒(29=コモンズ2)に15-10で勝利。続く試合で敷根を破って3位になっていた。この日は、全日本王者の松山恭助(23=JTB)が敷根と対戦予定だったが「腰の状態が良くない」ため欠場。代わってスクランブル出場した飯村が連勝を狙って前半は対等に渡り合ったが、最後に社会人の意地を見せつけられた。

試合後のコメントは以下の通り。

【敷根】

-率直な感想は

全日本のリベンジができてうれしいです。

-すごく笑顔

全日本でも負けるつもりはなかったんですけど、逆転負けしてしまったので。今回は絶対に勝とうと思いました。

-いつもの練習場がライティングや雰囲気で試合会場のようになった

普段と同じ練習場なので緊張しないかなと思っていたんですけど、この雰囲気にやられて、緊張しましたね。いつも試合の方が慣れているので、いつもより緊張しました。

-ポイントの流れはイメージ通りか

最初から点数を離していこうと思ったんですけど、前半ちょっと取られちゃったので、そこがまだ自分の課題かなと思います。

-コロナ禍で実戦から遠ざかっているが、来年への準備は

今、自分にできることを精いっぱい。トレーニングとフェンシング、ちょっとしたことなんですけど頑張って、来年のオリンピック(五輪)でメダルを取れるように頑張りたい。自粛明けからランニングとかトレーニングを頑張っている。精神的にも鍛えられている実感はあります。

-配信中に「走り込みの成果が出ている」とのコメントがあった

そうなんですね。自分では分からないですけど、もっと、いろいろな効果が出ていると皆さんに分かっていただけるように、頑張ってきたいと思います。

【飯村】

-試合を振り返って

圧倒的に自分が動かされていて、相手に待たれていた感覚があった。作戦が外れて、考えていたことを途中で変えられなかったことが敗因かなと思います。

-悔しそうだが、今の気持ちを

全日本選手権では大差があった状態から逆転することができたんですけど、今回は気持ちの面で敷根選手に負けてしまったかなと思います。

-コロナ禍の中で成長を感じている部分は

このように試合が少ない状況だと、どうしても、おのおのがどのように練習しているかで差が生まれると思う。ライバルとの差を離すことだけに集中して頑張っていきたい。

解説を務めた日本代表の西藤俊哉(23=長野クラブ)から、飯村に対し「今日の試合を見て、僕たちも余裕こいてられないな、というのが正直なところで。まだ飯村選手とは公式戦で当たったことがないので、ぜひ対戦できる日を楽しみにしています」とコメントが出ると、16歳が「小っちゃくて、こざかしい動きばかりして、食らいついていきたいと思います」と応じて笑顔になる場面もあった。

最後に、西藤が「(男子フルーレ)4人の素晴らしい試合を見て、ぜひ第2回が開催されたら出場したいと思います。よろしくお願いします」と次回以降の開催を熱望した。【木下淳】