ノルディックスキー・ジャンプ女子の伊藤有希(26=土屋ホーム)が10日、今季W杯開幕戦に向け、名寄市内で国内での最後のジャンプ練習を行った。18日にオーストリア・ラムソーで行われる個人第1戦に出場する。12日深夜の出国前に感触を確かめた。この日、取材に応じ「まずは開幕戦が決まって良かった。やっと女子も男子のように試合ができる」と喜びを語った。

雪上での練習は前日9日が初飛びで、2日間で計7本。ほぼぶっつけ本番で臨むことになる。それでも「あまり本数を飛べていないけど、向こうに行っても練習できるし、まずは雪の上で飛べたってことで満足」と前向きだ。例年ならすでにW杯が開幕しているが、今季開幕となる5日のノルウェー・リレハンメル大会が延期になり、その後の大会開催が不透明だった。「今季は変わりゆく状況の中でいかに自分の気持ちや体の準備をすることが鍵になる」。日程が急きょ変わることもあり調整は難しいが、対応力をテーマに掲げる。

22年北京五輪プレシーズンがついにスタートする。2月には過去2度個人銀メダルに輝いている世界選手権(ドイツ・オーベルストドルフ)も予定されている。今季のビッグゲームに向けて「メダルを取りたい」と目標は明確だ。「コロナの影響で夏場は体づくりをしっかりできた」と、体調は万全。シーズン初戦の地ラムソーは、初めて海外遠征した07年夏のコンチネンタル杯(13位)や12年W杯(34位)などで経験している。懐かしさがある台から好スタートを切りたい。【保坂果那】