ラグビーの23年W杯フランス大会(9月8日開幕)の1次リーグ組み合わせ抽選会が14日、パリで行われ、世界ランキング10位(14日現在)の日本は同2位のイングランド、同8位のアルゼンチンと同じD組に決まった。

日本より下位の第4、5グループ(G)からはオセアニア予選の勝者、米大陸第2代表が入る。19年日本大会で8強の日本は、優勝経験があり前日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ監督率いるイングランドと強豪アルゼンチンがいる「死の組」に入った。

   ◇   ◇   ◇

日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC、51)は、オンラインで会場の抽選を見守った。パリ・オペラ座のバレエダンサー、アリス・ルナバンさんが左手で「JAPAN」と書かれたボールを引いた。アルゼンチンが入るD組。その後、第1Gのイングランドが入り、過酷な“死のD組”となった。

前大会と同じく、1次リーグ突破のためには最低でも3勝が必要。下位2チームからの勝利を前提とした上で、強豪2チームからの勝利が絶対条件となる。ジョセフHCは「素晴らしい強豪と対戦できることを大変光栄に思うと同時に興奮している。日本の成長と実力を世界に示すためにW杯ほどふさわしい舞台はない」とコメントした。

03年大会優勝のイングランドとは、過去9度対戦して未勝利。18年11月のテストマッチでは15-35で敗れた。前大会は準優勝、今月の8カ国対抗も制覇するなど着実に強化を図っている。経験豊富なSOファレルらも健在で若手も成長。チームに厚みが増している。

世界ランキング8位のアルゼンチンは難敵だ。11月に南半球で開催されたチャンピオンズカップでは、最多3度優勝のニュージーランドを通算30戦目にして撃破。日本は過去1勝5敗と負け越し、ジョセフHCの初陣となった16年11月も20-54で敗れている。

コロナ禍の影響で各国の強化が大幅に狂っている。日本は前大会以降、1年以上活動がない。来年6月には4年に1度編成される全英代表とのテストマッチが決まっている。「ONE TEAM」を掲げる、ジョセフ・ジャパンの現在地が分かる貴重な一戦となる。

◆ラグビーW杯 4年に1度の世界一決定戦。1987年に16カ国・地域が参加して始まり、99年の第4回から出場枠が20に増加。19年日本大会はアジア初開催。23年フランス大会は第10回となる。優勝回数はニュージーランドと南アフリカの3度が最多。オーストラリアが2度制し、北半球勢の優勝は03年大会のイングランドのみ。優勝杯は競技の起源とされる人物に由来する「ウェブ・エリス・カップ」。