18、19年柔道世界選手権男子60キロ級銅メダルの永山竜樹(24=了徳寺大職、美唄市出身)が、無差別級で争う全日本選手権(26日、東京・講道館)に初出場する。初戦は90キロ級の河坂有希(32=愛媛県警)と対戦。「柔道を始めたときから大きな選手を倒したいと思ってやってきた。柔道家のあこがれの舞台。1つでも多く勝ち上がれたら」と意気込んだ。

今回は東京五輪各階級代表や、補欠選手に出場権が広げられたことを受け、最軽量級の永山も初参戦を決めた。既に90キロや100キロ超級の選手との練習を繰り返し準備を整える。「組み手争いと動きの速さは重量級の選手に勝れる。軽量級同士よりも技をかける機会は増える。自分の長所である、技の多さを生かしたい」と思い描いた。

現在世界ランク1位も、東京五輪60キロ級代表は、東海大の先輩でリオデジャネイロ大会に出場した高藤直寿(27=パーク24)に譲った。だが「五輪と全日本は別。出るからには優勝を目指す」と新たな目標に燃えている。重量級有利の同大会。中量級以下の選手では、67、69年の岡野功、72年の関根忍の2人が現在でいう80キロ級の選手として優勝も、60キロ級で156センチという小兵永山が優勝すれば、異例の大躍進となる。

高校時代、中量級の古賀稔彦が90年に準優勝した動画を見て、巨漢を倒す夢を抱いてきた。「小柄でも頑張っている子どもたちに、勇気を与えられたら」。多彩な技とスクワット175キロの強靱(きょうじん)な下半身を生かし、あきらめずに戦う姿を、日本中に送り届ける。【永野高輔】

◆柔道全日本選手権 48年(昭23)から行われている無差別級で日本一を争う大会。五輪、世界選手権開催年は重量級の代表選考会となる。従来は前回大会の決勝進出者、世界選手権の各階級優勝者、最重量級のメダリストらが推薦で出場していたが、今大会は東京五輪の各階級代表、補欠選手らに出場資格が広げられた。前回優勝は、東京五輪100キロ級代表のウルフ・アロン。

◆永山竜樹(ながやま・りゅうじゅ)1996年(平8)4月15日、美唄市生まれ。4歳で競技を始める。美唄峰延小から愛知・大成中-大成高-東海大-了徳寺大職。東海大1年時の15年世界ジュニア優勝、2年時に講道館杯全日本体重別、3年時に全日本選抜体重別優勝。17、19年ワールドマスターズ優勝。得意技は背負い投げ。家族は両親と弟、妹。156センチ。血液型A。