男子で仙台大明成(宮城)が福岡第一(福岡)の3連覇を阻止した。最終第4クオーター(Q)に8点差をつけられながら猛追。残り1分30秒を切ってから同点とし、山内シャリフ和哉(3年)の勝ち越しフリースロー、ダメ押しシュートで64-61と競り勝った。3年ぶり6回目の優勝へ関門を突破し、準決勝で北陸(福井)と対戦する。

もう1つのカードは洛南と東山の京都決戦になった。女子決勝では連覇を狙う桜花学園(愛知)と東京成徳大高(東京)が対戦する。

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ドラマは残り1分30秒を切ってからだった。山崎一渉のフリースロー2本で61-61。そして、山内シャリフが相手のファウルを誘う。残り56秒、フリースローで1点勝ち越し。さらにゴール下からダメ押しシュートを沈め、福岡第一のV3を打ち砕いた。仙台大明成の選手たちがコートで、ベンチで勝利のダンスを踊った。

ヒーローは冷静で、インタビューではニコリともしなかった。「自分の力はまだ足りない。リバウンドも、シュートももっと頑張らないと」。193センチのセンターはこの試合、先発から外れて第3Q途中からコートに。プレー時間10分50秒で8得点も、存在感は十分だった。

報道陣に囲まれる山内を見ながら佐藤久夫監督(71)は目を細めた。「ラッキーボーイ? プレーに落ち着きがなかったの。でも、ちょっと大人になったかな」。過去2大会は開幕前にエントリーから外している。悔しさをバネに精神面の成長を期待してのことだった。この育成術が優勝した17年大会以来の4強につながった。

“八村2世”山崎一も両チーム最多の29得点で逆転への原動力になった。山内シャリフも負けてはいない。28日の北陸戦へ「シュートを強くねじ込むことを意識したい」と静かだが、力強く決意を明かした。