静岡北高の日高裕太(3年)が、強い決意を胸に新たなステージに向かう。14日に日本競輪選手養成所の選手候補生入所試験に合格。夢実現への大きな1歩を刻んだ。LINE(ライン)に50件以上のメッセージが届くなど、多くの祝福を受け「選手としても、1人の人間としても応援してもらえる選手になりたい」と、改めて決意を語った。

小学6年で競輪選手に憧れた。父親の知人で地元選手の鈴木良太(43=A級1班)の応援で、初めて静岡競輪場を訪れた。「映像で見ていた競輪とは違い、想像以上のスピードだった。そこに憧れて競輪選手になりたいと思った」。高校進学後、鈴木の指導も受けながら、自転車部で活動。本年度はコロナ禍のため、連覇を狙った全国選抜と全国総体が中止になったが、「養成所に合格することが一番の目標だったので、気持ちはブレなかった」。黙々とペダルを踏み続け、合格をつかんだ。

現在は、5月27日に予定される入所に備え、自主練習に励む。静岡市内の河川敷でダッシュをするなど、1日約2時間、汗を流している。「やっとスタートラインに立てた。養成所での生活がすごく楽しみ」と、声を弾ませた。

喜びと同時に、視線は新たな目標にも向いている。「2028年のロサンゼルス・オリンピック出場も目指して頑張っていきたい」。高校1年で競技を始めてまだ3年。2年時には全国2冠に輝くなど、ポテンシャルも十分だ。日高の前途には、無限の可能性が広がっている。【前田和哉】

◆日高裕太(ひだか・ゆうた)2002年(平14)4月26日、静岡市生まれ。東豊田小-東豊田中。中学まではサッカー部で、ポジションはセンターバック。175センチ、77キロ。家族は両親と兄。血液型O。