米国のプロアメリカンフットボールリーグ(NFL)で、チアリーダーになることを目指す日本人がいる。

バスケットボールBリーグの、滋賀レイクスターズの「レイクスチアリーダーズ」に所属する大西真菜美さん(24)だ。超難関の壁を突破するために、活動を続けている。

「(NFLには)あこがれますね。向こうの国技。客の数が違う。照明も華やかで、あそこに立ってみたいと思った」

兵庫・宝塚市出身で、高校時代にチアリーディングに出会った。立命大4年時には世界選手権で、主将として世界一を経験した。実力はあるが、NFLは倍率10倍以上の狭き門。会社を辞め、20年2月に渡米。オーディションに備えた。

「現地の人の言っていることがわからなくて、レッスン中に録音してました。友人に頼んで文章に起こしてもらって、それを自分で翻訳してやってました」

前向きに活動も、新型コロナウイルスの影響で帰国を余儀なくされた。審査はオンラインで行われ、最終審査で惜しくも落選した。現在、チーム練習に加え、個人でダンスやバレエのレッスンをこなしている。別に仕事もしているため、睡眠時間は5時間程度。電車内で居眠りをすることもある。仮に来季の審査に合格したとしても、アーティストビザ(O-1)と呼ばれる特殊なビザを取らなければ、活動ができない。コロナ禍で、そのハードルは高い。

「高い壁だが、かなりの人に応援してもらっている。恩返しは壁を乗り越えて、夢をかなえることだと思う」

現地でかかる多額の経費は、自ら動き、クラウドファンディングで支援を募った(1月末まで)。コロナのハンディがあっても、諦めず、必ず夢をかなえる。【南谷竜則】