インサイドでのパワープレーやミドルシュート、さらにはコーナーからの3点シュートと、八村がこの試合で記録した15得点は多彩だった。

流行性角結膜炎により開幕に間に合わず、さらにコロナ禍での欠場などコンディション調整が難しいシーズンを送っているが、サポート役というチーム内での役割は果たしている。

今後さらに得点力を高めるには、外角シュートがカギとなる。今季の3点シュート試投数は1試合平均2・7本で成功率35%。インサイドの得点だけでは1試合10点台で頭打ちとなってしまうが、外角シュートを打つ本数を増やし、確率も上げられれば、コンスタントに20点台を挙げられる。

けがで急きょ欠場した渡辺だが、すでに自己最多に並ぶ18試合に出場。重要な局面での起用も増えている。ラプターズはシアカム、バンブリート、パウエルと主力勢がツーウエー契約出身。クラブが持つ確たる育成プログラムを、いま渡辺に施しているところと見て取れる。

この日の直接対決は見られなかったが、2人は今後何度も同じコートに立つことになるだろう。数年たてば日本選手の対戦が“普通のこと”になっているかもしれないし、そんな日が来ることを楽しみにしたい。(NBAコメンテーター)