昨年12月「花園」に初出場した開志国際が全国選抜大会初出場も決めた。

岡谷工(長野)に41-21で快勝。前半こそ12-9と接戦を演じたが、後半に爆発した。主将のCTB阿部太祐(2年)が2トライ、4ゴール、1PGとチーム得点の半数の21得点を積み上げた。開志国際は北信越代表2枠のうちの信越ブロック代表校として3月24日開幕の全国選抜大会(埼玉)の舞台に立ち、「全国1勝」に挑む。

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全国選抜初出場を左右する大一番で、やはり頼りになるのはキャプテン、CTB阿部だった。開始6分に相手にPGを許した、その2分後。右中間に飛び込んでチーム初トライを奪った。自分でゴールキックも決めて7-3。その後もメンバーを鼓舞するように2トライ、4ゴール、1PGとスコアを重ね続けた。「プレーで引っ張ろうと思っていた。結果に表れた。うれしい」。

阿部は神奈川県出身。チャレンジャーとして15年創部の開志国際に入学した。「歴史のない新しいチームが結果を残すということに憧れた」と入学動機を話す。そんな思いは昨年12月の「花園」初出場に結実。新チームではキャプテンとしてチームの先頭に立ち、全国舞台、選抜初出場を決めた。学校の新しい歴史を開く立役者になった。

高橋昌徳監督(41)は「しっかりテンポを上げてボールを動かせたから後半は我々のペースになった」と長野1位のチームに勝ち、全国舞台に向け、確かな手応えを感じていた。1回戦の北越戦から中2日で迎えたこの日の信越ブロック決戦。回復のトレーニングと、チーム内のサイン確認に時間を費やし、コンディションを整えた。「北越戦はコミュニケーションが足りなかったので試合中にしゃべり合うことを心掛けた」とCTB阿部は試合中の約束事を明かした。

「花園」は1回戦で大分東明に5-57で大敗した。CTB阿部は「出て、終わった」と話しただけに、選抜は出場するだけでは終わらない。「全国のチームと渡り合えるように練習したい」と全国大会1勝で開志国際の次の1歩を踏み出す決意をみせた。【涌井幹雄】