8回3分の2まで無失点に抑えていた東京五輪代表エースのビックカメラ高崎上野由岐子投手(38)が、アクシデントで降板した。

0-0で迎えた9回表の1死二、三塁。6番金江爽友外野手から空振り三振を奪い、2アウトまでこぎつけた後だった。上野はゆっくりベンチに歩いていった。そして右脇腹を伸ばすようなしぐさをした。球場には「けがの手当をしております」とのアナウンスが流れた。そのまま降板。浜村ゆかりにマウンドを譲った。

試合後、上野は「多分、痛めている感じ。無理して投げるべきではないという判断をし、休ませてもらった。これだけ長くやっていると、けがは多いですし、投げられなくはなかったかもしれないけど、今は無理をしたくない。けががどういう状況かは、病院に行ってみないと分からないが、軽症でおさまってくれればいいな」と話した。痛みは「急に」出たという。表情は明るかった。

今季初先発で、これまでは粘りのピッチングだった。初回こそ3者連続三振だったが、無死二塁からはじまる8回、9回のタイブレークも含め、何度も得点圏のピンチを背負っていた。2回は2死二塁、3回は1死二、三塁、4回は1死三塁、5回は2死二塁のピンチを招いた。6回も2死から四球を与えた。ただ、要所で気持ちが乗ったボールは威力を増し、味方の好守にも助けられ、スコアボードには0を並べ続けていた。

試合は延長10回の末、1-0で豊田自動織機が勝利した。