20歳の佐藤翔馬(東京SC)は、59秒30で優勝した。しかし、派遣標準記録には0秒09及ばず、代表権には届かなかった。

「派遣標準は突破できず、少し残念ではあるが、まずは100メートルで優勝できてよかった」。後半に追い上げたが、前半では遅れをとった。「およぎじたいは悪くはなかったと思うが、落ち着きすぎてしまった部分もあったのかな」と振り返った。

ただ、本命は世界歴代4位の記録を持つ200メートルになる。大会中に100メートルの自己新を更新したことは自信になる。「タイムよりも今回は代表に入るのが一番の目標。それをしっかりやれば、おのずとタイムもついてくるのではないか」と語った。

佐藤は、3日の準決勝で自己ベストを0秒37も更新する59秒18で全体1位通過。大会前に目標としていた派遣標準記録58秒21を早くもクリアしていた。レース後には「最後にごたついたので、落ち着いていけばもっといいタイムが出るんじゃないかと思う」とさらなるタイムアップを口にしていた。

佐藤は4代続く医者の家系で、幼稚舎から慶応ボーイ。現在は大学3年生。昨年1月の北島康介杯で頭角を現して、ぐんぐん力をつけている。本命種目の200メートルでは渡辺一平の日本記録2分6秒67まであと0秒07差まで迫っている。北島康介氏と同じ名門・東京SC育ちで、強いキックを武器に成長を続けている。