仙台89ERSが2連勝で準決勝進出を決めた。1点を追う残り5・9秒、PG笹倉怜寿のミドルシュートで逆転。69-66で西地区優勝の西宮ストークスに競り勝った。本拠地ゼビオアリーナ仙台で行われたパブリックビューイング(PV)では約200人のブースターが大型スクリーンで観戦。前日の第1戦に続く終了間際の逆転劇に喜びを爆発させた。

ワイルドカードでPO進出の仙台が「下克上第1章」を2日連続のミラクル勝利で飾った。最終Q(クオーター)最大10点リードから残り7分で逆転を許したが、気持ちは切らさなかった。4点ビハインドの残り1分、PG月野雅人主将の3点シュートで1点差。笹倉の右45度からの逆転ジャンプショットにつなげた。今季終盤にケガで一時戦列を離れ、不調に陥った笹倉は「仲間やファンの後押しで帰ってくることができました。まず2勝してB1を決め、そこから優勝しましょう」と、ブースターにあいさつした。

ブザービーターの逆転3点弾を決めた第1戦の渡辺翔太に続くヒーローの誕生。前日5反則で退場したダニエル・ミラーは14得点13リバウンドのダブルダブルで勝利に貢献。桶谷大HC(ヘッドコーチ)は「よく我慢してやってくれた。レギュラーシーズンでファンの期待に応えられなかったところがあったのでPOで力を発揮する気持ちが強い。あと2勝でB1に行けるのでしっかり取れるようにしたい」とブースターに誓った。【佐々木雄高】