関東連覇を狙う日大が、ライバル法大に逆転負けを喫した。前半はTDパスを決めるなど13-5とリードしたが、後半は2インターセプトを喫するなど無得点。法大にランで2TDを奪われて、今春2戦目で13-19での敗戦となった。

反則問題の不祥事後、18年夏に橋詰監督が就任した。下位のBIG8リーグ降格から、昨年は甲子園ボウル出場で復活も、関学大に就任後初の黒星を喫した。大学日本一で真の復活を期すが、今度は就任後関東勢相手では初の黒星となった。

橋詰監督は「実力不足でまだまだ。ダメダメだった」と苦笑い。序盤流れをつかんでリードも、後半は攻守ともにいいところなく終わった。「3、4年は選手層が薄い」と吐露。不祥事の影響でこの2学年は思うように選手を勧誘できなかった。日大の看板と言えるQBが、この2学年に1人もいない状況が象徴する。

QBは昨年4番手だった2年加藤が先発した。1プレー目に53ヤードパスを決め、FGでの先制に結び付けた。2度目の攻撃では14ヤードパスでTDを決め、3度目は41ヤードパスから2本目のFGを加えた。今年から出場と思えぬ安定感も後半は不発。橋詰監督は「すごい能力はないが、いいものはある。負けて秋への目標もできたはず」と期待を込めた。

橋詰監督は8月で任期満了で退任するが、後任はいまだ決まっていない。選手には大きな不安材料だが、橋詰監督は任期の責任を果たすべく、選手を叱咤(しった)する。

秋のリーグ戦は早大、法大、明大と、開幕から強豪との連戦となる。春の試合は5月で終え、本番へ早めの準備に入る計画だ。「どうなるかわからない。どうなってもいいようにできる限り準備する」と話した。

法大は19年春に日大と引き分けも、昨年はリーグ開幕戦で敗れていた。17年リーグ戦以来の勝利。有沢監督は「まだ春なんで。巡り合わせでたまたま。これで過信したり、慢心しないように」と気を引き締めた。

後半はRB星野のランで流れを引き寄せた。第3Qに12ヤードのTDランで反撃開始。守備のインターセプトからQB平井が逆転TDランを挙げた。有沢監督は星野を「秘密兵器」と笑ったが、昨年ランでリーグ1位のエースが今年の鍵になる。

コロナ禍で大学施設利用制限など思うような練習はできないが、早大、慶大、東大とも対戦を予定する。各校が試合を減らす中で「春はタフになろうと言っている」という。戦力面で関東NO1とも見られ、9年ぶりの甲子園ボウルへまずは好発進となった。