最後のラグビーを楽しんでください-。

19年W杯日本代表NO8姫野和樹(26=トヨタ自動車)が21日、現役引退する同代表WTB福岡堅樹(28=パナソニック)への思いを語った。

この日、期限付き移籍しているハイランダーズ(ニュージーランド、NZ)の一員として、オーストラリアのパースでフォース戦に途中出場。今季終了後に医師の道へ進む福岡は、トップリーグ決勝サントリー戦(23日、東京・秩父宮ラグビー場)が現役最後の試合になる。フォース戦後のオンライン取材。姫野は最初に「『引退したら、ご飯でも食べに行こう』っていうぐらい」と笑いを誘った。

2歳年上の福岡は1浪しているため学年は1つ上で、筑波大で活躍。姫野が在籍した帝京大とは、同じ関東大学対抗戦だった。15年1月10日の全国大学選手権決勝でも対戦。筑波大の福岡がチーム唯一のトライを決め、帝京大の姫野は途中出場で優勝に貢献した。トップリーグでもしのぎを削り、日本代表では共に戦った先輩に、姫野はかわいがられてきた。

「最後のラグビーを楽しんでほしいですね。決勝という、いい舞台。彼の素晴らしいキャリアの最後の試合。『頑張ってほしいな』と思います」

姫野は21年度の日本代表候補にも名を連ね、23年W杯フランス大会を目指していく。今季はNZでの武者修行を選び「このリーグでしっかりもまれてやることが、成長につながる」とあらためて誓った。異国から、福岡の悔いのない集大成を願っている。【松本航】