2020-21年シーズン限りで現役引退したラグビー元日本代表FBの五郎丸歩氏(35=ヤマハ発動機)が14日、浜松市内で引退会見を行った。

開幕前の昨年12月に第一線から退くことを表明。今年4月のトップリーグ・プレーオフトーナメント2回戦でクボタに敗れ、正式に現役最後のシーズンを終えてからは初の会見で競技人生を振り返った。

12日に地元のエコパスタジアムで行われた日本代表-サンウルブズ戦に出場しなかったことについては「私は去る人間ですから。23年のワールドカップ(W杯)に向けた強化の一環。私が出場するに値しない試合だったのかなと思います」と説明した。

35歳で引退することを決めていた中で「15年W杯の後はモチベーション的に難しかったですね。成功させて19年大会につなげるのが最大のミッションでした。それを達成した後は落ちた部分があったので、国内にいてはダメだと。かなり高い壁になりますが、オーストラリア、フランスに挑戦しました。帰国後は、プレー以外でもラグビー界に貢献できることがあるのではと、子どもたちへの普及などで貢献してきました」と語った。

15年W杯の直後に引退する考えはなかったのか尋ねられると「あれだけスポットが当たった選手が、すぐ引退、とは考えられなかったですね」と笑い「19年W杯に向けて、できることをやってきました」。その日本大会でプレーしたかったか聞かれると「全くなかったですね。開幕戦は仕事でスタンドにいたんですが、一生、忘れられない。多くのお客さんが日本代表のジャージーを着て、東京スタジアムを埋めてくれた。一生、忘れることのない光景です。感無量になりましたし、普及活動もやってきて良かったなと思えた瞬間でした」と振り返った。