2016年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(29=百五銀行)が3位決定戦で、2大会連続金メダルのテディ・リネール(32=フランス)に敗れ、メダルを逃した。

準決勝で世界ランキング4位のクルパレク(チェコ)に延長戦の末に敗れて、金メダルの夢がついえた。初戦から体が重く、準々決勝では1月のマスターズ大会で一本負けしたハンモに、6分を超える延長戦の末、内股で一本勝ちしたが、試合後に通路でしゃがみ込むなど体力を消耗してしまった。

くしくも3位決定戦は、準々決勝でバシャエフ(ROC)に敗れて3連覇を逃し、敗者復活戦から勝ち上がってきたリネールとの再戦。リオデジャネイロ五輪の決勝の再現となったが、金メダルをかけたリマッチではなかったことも影響したのか、原沢は本来の動きではなかった。

リオ五輪後は苦難の連続だった。17年世界選手権では初戦敗退。「オーバートレーニング症候群」を発症し、体調を崩した時期もあった。静養と徹底した食事管理で復調し、20年ワールドマスターズ大会では金メダルを獲得して自信を深めた。「柔道人生の集大成」として臨んだ2度目の夢舞台だったが、金メダルどころか、2大会連続のメダルも手できなかった。