東京五輪・パラリンピックのオフィシャル寝具パートナー「エアウィーヴ」の高岡本州(もとくに)会長が8日、都内で行われたイベントに出席し、「段ボールベッド問題」に関して言及した。

同社は、選手村に1万8000床の寝具一式を提供した。大会期間中には珍しい「段ボールベッド」が話題になり、野球のイスラエル代表ら9人が跳びはね、破壊する動画がSNS上に投稿されて問題になった。その後、同国オリンピック委員会が大会組織委員会へ謝罪するまでの騒動となった。

高岡会長はこの日、「この段ボールでなければ(9人も)耐えられなかったと思います。大会期間中は段ボールが話題になりましたが、(選手たちにとって)大事なのはマットレスなんです」と、“プロ目線”で語った。

SNSでは、強度への不安をあおるような投稿も目立った。同社によると実証実験を繰り返し、重さ200キロに耐え、体重120キロの人間が跳びはねても壊れない構造という。大会後、段ボールは古紙として再利用され、マットレスや枕は国立オリンピック記念青少年総合センターなどに寄贈される。高岡会長は利用した寝具を寄贈や再利用することで「今大会のレガシーの一部を後世へ引き継ぎ、持続可能な社会の実現に貢献していきます」と話した。

同社の寝具を利用している東京五輪柔道男子66キロ級金メダルの阿部一二三(24=パーク24)と同女子52キロ級金メダルで妹の詩(21=日体大)もイベントに出席。競技力向上のためには「睡眠が一番大切」と訴え、自身にあった寝具選びの重要性を説いていた。