来年2月の北京オリンピック(五輪)に向けた一戦で、前日の初戦を制した北海道銀行が第2戦で、18年平昌五輪銅メダルのロコ・ソラーレに8-7で逆転勝ちして王手をかけた。しかし、続く第3戦はロコ・ソラーレが9-3で大勝。3戦先勝方式で行われる大会は、これで北海道銀行が2勝1敗とリードして12日の最終日を迎える。第4戦は午前10時、第5戦は午後6時開始予定。勝者は北京五輪世界最終予選(12月、オランダ)へと進む。

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北海道銀行にとっては、午前は会心、午後は悔恨の1日となった。午前10時開始だった第2戦は、8-7と競り勝った。スキップ吉村紗也香が「ビッグエンドを作れ、良い流れをもたらした」と勝負の鍵としたのは6エンド。2個並んだガードは1・5石分の幅しかない。集中力を高めると、擦り抜けるドローを2回連続で成功。スーパーショット連発で3点をもぎ取り、「後半もしのぎながら最後までつなげられた」。7ー7で迎えた最終10エンドでも、不利な先攻ながら巧みな配置で逆に追い詰め、1点をスチール。2連勝で一気に王手をかけた。

一転したのは午後3時からの第3試合。吉村は「初戦と同じ気持ち。緊張もそこまでせず、同じ状態で臨めた」としたが、氷の感触に苦しむ。曲がり幅を読み切れずに苦戦した。痛恨は2エンド。簡単なミスが多発して2点のスチールを許すと、流れを持っていかれた。

吉村はロコ・ソラーレの藤沢、吉田、鈴木と同学年。18年平昌五輪では、幼い時から競ってきたライバルが表彰台に上る姿を現地で目に焼き付けた。「北京は私が」。思いを胸に、心身両面で鍛え上げてきた。「(大敗だからこそ)次に向けて良い切り替えができる。次でしっかり勝ちたい」。誓った夢舞台へ、まずは、あと1勝。【阿部健吾】