松村きょうだい対決で、日本代表が決まる。今年の日本選手権優勝の吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)と松村雄太(31=コンサドーレ)のペアが、昨年の同選手権優勝の松村千秋(28=中部電力)と谷田康真(27=コンサドーレ)のペアに7-4で快勝。3勝1敗で並んだ両ペアが1次リーグを突破し、最終日20日の決定戦に進んだ。今大会の直接対決は1勝1敗。決定戦は最大3試合実施し、先に2勝した方が日本代表に決まり、12月の五輪最終予選(オランダ)に臨む。

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前日に大敗を喫した妹のペアに、兄のペアが鮮やかに雪辱を果たした。最終第8エンドで、相手がラストショットを投じる前に勝敗が決し、7-4で快勝。兄の松村雄は「やられた分、しっかりやり返しました」と笑顔を見せた。

第1エンド(E)でいきなり3点を先制し、優位に立った。その後に連続得点を許して追い付かれたものの、慌てることはなかった。直後の第4E、義妹の吉田夕が的確なショットを重ねて複数点のチャンスを作り、最後は松村雄が狙い澄ましたショットを決めて2点を獲得。ハーフタイム明けの第5Eでは相手のパワープレーを1点に抑え、流れを確たるものにした。

前日の大敗後、今大会でコーチを務める両角友や吉田知らを含めた6、7人でミーティングを実施。アイスに対するアプローチについて「3つの柱」を作り、この日の試合に臨んだという。具体的な内容について松村雄は「秘密です(笑い)」とけむに巻いたが、チームワークの高さや分析力、さらには修正力もしっかり発揮し、直接対決の星を五分に戻した。

最終日には最大3試合が行われる。2月の日本選手権で両者は2度対戦。吉田夕と松村雄のペアは1次リーグでは4-11で大敗を喫したが、決勝では10-2と大勝して連覇を阻み、今回の代表決定戦に持ち込んだ。実力伯仲の両者。先週の女子代表決定戦に続く熱戦への期待がますます高まる中で、吉田夕は「勝ち負けよりも、まずは自分たちのカーリングができれば」と平常心を強調した。【奥岡幹浩】

〇…松村千は兄のペアに敗れて直接対決2連勝を逃した。「序盤の入りが良くなく、焦ったところあった。そこが明日に向けての修正点」。パートナーの谷田は、試合を進める中で立て直したことに手応えをつかんだ。翌日の最終日に向けて「3試合を戦い切るつもりで、1戦1戦やれれば」と話した。松村千も「貪欲にプレーする」と勝利への執念を口にした。

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