バスケットボール男子日本代表のトム・ホーバス新監督(54)が22日、家族と過ごす米国からオンラインで就任会見に臨み、NBAプレーヤーの八村塁(ウィザーズ)渡辺雄太(ラプターズ)と米国で会う考えを明かした。東京オリンピック(五輪)で女子代表を銀メダルに導いた名将は、男子にも持ち前の熱血スタイルで接していく方針だ。また、ホーバス監督の後任として女子代表を率いる恩塚亨新監督(42)は、パリ五輪での金メダルを目標に掲げた。

いつものように通訳を介すことなく、流ちょうな日本語で所信表明した。女子代表監督から男子代表監督への異例の転身に、ホーバス新監督は「すごいチャレンジが大きいかなと思うが、こういうチャレンジは本当に好き」。新たな挑戦に闘志を燃やした。

長らく女子チームの指導に関わってきただけに、男子代表監督のオファーを受けた時には「ちょっとびっくりした」と打ち明ける。東京五輪での実績が評価され、さまざまなオファーを受けたことも明かしつつ、「やっぱりこの道が面白い」と再来日を決めた。

この日も「間違いなく私は熱い人」と自らを表現。男子選手に対しても、その熱血的な指導方針を変えるつもりはない。まずは選手との対話を重ね「いいリレーション(関係)」を築いた上で、「選手をうまくさせたいから、こういうスタイルをやっていく」。現在は米カリフォルニア州で家族と過ごしてリフレッシュ。来月10日頃に来日予定だが、八村や渡辺とは「米国でも会いたいし、話したい」。すぐにもコンタクトを取る考えを明かした。

女子代表監督に就任した時には、東京五輪の金メダルを宣言している。ただ直前のリオデジャネイロ五輪で8強入りを果たした女子に対し、今回の男子は東京五輪でも3連敗で1次リーグで敗退するなど世界トップレベルとの差は大きい。3年後のパリ五輪を念頭に置きつつ「簡単には目標を言わない」。熱い気持ちを抑え、クールに照準を定めていく。

最初の大きな大会は11月下旬からのワールドカップ(W杯)アジア地区予選。1次リーグはホームアンドアウェー形式で行われ、世界ランキング35位の日本は、同3位オーストラリア、同28位中国、同68位台湾と同じ組に入った。「ぜひ応援してください。僕は100%頑張ります」。熱いハートで新たな挑戦が始まる。【奥岡幹浩】

<恩塚監督「パリ金」>

恩塚新監督は「目標はパリ五輪での金メダル」と宣言した。東京五輪ではアシスタントコーチを務めるなど、長年、女子代表に関わってきた。「世界一のアジリティー(敏しょう性)を追求して、高い身長を凌駕(りょうが)したい。チームが躍動感を持ってシンクロするバスケを目指す」と話した。