B1新潟アルビレックスBBは29日、開幕カードの京都ハンナリーズ戦(10月2、3日・アオーレ長岡)に向けた練習を中之島体育館で行った。アジア特別枠で今季加入のSFコービー・パラス(24=フィリピン)に開幕スタメンの可能性が浮上。入国後2週間の隔離が明けた24日に合流したばかりだが、平岡富士貴監督(47)が能力の高さを評価した。

    ◇    ◇    ◇  

パラスはすずしい顔でリングを捕らえ続けた。5対5の試合形式。軽快なドリブルで守備をかわしながら立て続けにレイアップ。3点シュート、ドライブからのワンハンドダンクも連発する。

「コンディションは73%くらい」と笑う。5対5に加わったのは前日28日から。24日に合流後は休日返上で調整中だが、攻守の切り替えが続くと足が止まるなど、まだスタミナ不足。万全にはほど遠い。それでも前腕がリングよりも高い位置に悠々と飛び出る跳躍力や、守備が反応できないステップと、ケタ違いの身体能力を披露している。

平岡監督にとってはうれしい誤算だ。「初戦から使うつもりだが、思い切ってスタメンで行こうかな」。パラスを先発にすることで、ほかのシューターをバックアップに回せる。「相手も嫌なはず」と、指揮官が采配をイメージするほどインパクトは強烈だった。

「開幕戦に出たい。全力で合わせる」とパラス。2日は、父ベンジーさんの53歳の誕生日。フィリピンリーグ史上ただ1人、新人王とMVPを同時受賞したレジェンドだ。「ファン、長岡の街に勝利を届けたい」。父、ファン、そしてプロデビューする自身へ白星のプレゼントを誓った。【斎藤慎一郎】