バスケットボールBリーグの第1節が2日、各地で行われ、大補強で注目される島根スサノオマジックは前年優勝の千葉ジェッツに100-94で勝ち、今季開幕戦を飾った。昨季MVPの新戦力で、東京オリンピック代表の金丸晃輔が得意の3点シュートを序盤から立て続けに決めてチームに勢いを呼び、やはり新加入の安藤誓哉は24得点と貢献した。

以前はB1(1部)とB2(2部)を行ったり来たりの成績だった島根だが、19年より親会社がバンダイナムコエンターテインメントとなり、経営基盤が大きく安定。まずは組織づくりに取り組んだ上で、第2段階としてチーム力の補強に本格的に着手した。金丸をはじめ、松江市内の会場で開幕戦を見守った親会社の宮河恭夫社長は、「金丸選手や安藤選手らの加入で、これまでチームで頑張ってきた選手の刺激にもなっている」と補強の複合効果を口にする。

コロナ禍で収容人数の最大50%の入場制限が敷かれる中で、約1700枚のチケットは前売り完売。試合前のグッズ売り場には長蛇の列ができた。マスク越しでもはっきりと感じられる静かな熱気。宮河社長は「チームへの期待感を感じている。島根の魅力をさらに引き立てていければ」と力を込める。試合会場にはバスケットボールを持った“バスケ仕様”のパックマンがあちこちに存在し、盛り上げを後押し。金丸が「シュートが入るたびにすごい歓声。記憶に残る試合になった」と話せば、安藤は「千葉相手に勝てたことは大きい」。地方から目指す日本一へ、力強く1歩目を踏み出した。【奥岡幹浩】