男子で初出場の酪農学園大とわの森三愛が、2回戦で滝川を103-56で下し、初の8強に進出した。能代工OBで就任7年目の大内田隆太監督(29)のもと、今夏の高校総体道予選出場権獲得も、コロナ禍の影響で棄権。悔しい思いをバネにはい上がり、初の全道大会で、進撃を開始した。6日の準々決勝は昨年優勝の駒大苫小牧と対戦する。

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酪農学園大とわの森三愛が、マスクをつけたまま戦い抜いた。5月末に校内で感染者が出たため高校総体道予選を断念。今回は感染予防を徹底するため、他の全チームが試合中はマスクを外す中、全員が2試合連続で試合終了まで、スポーツ中も使える素材のマスクをつけ続けた。大内田監督は「夏にあのようなことになってしまった。同じことにならないようにという思いだった」と振り返った。

呼吸の苦しさもはね除けての8強進出。佐藤奨真主将(3年)は「少しきついときもあったが、夏の練習再開からつけ続けてきたので慣れはあった。まずは2日目に残れて良かった」。初戦の留萌戦が105-37、滝川戦は103-56と大差をつけ、勝ちきった。

6日の準々決勝は、昨年王者の駒大苫小牧と対戦する。率いる田島範人監督(46)も能代工出身。高校の先輩との対戦を前に大内田監督は「みんなで駒大苫小牧と対戦しようとやってきた。全力でぶつかりたい」。総体予選での引退を撤回し現役を続ける佐藤主将は「ここまで頑張ってきて良かった。明日も自分たちのバスケットをしっかり出し切りたい」。失った夏の分まで、全力でコートを駆け抜ける。【永野高輔】