女王に雪辱を果たす。Vリーグ女子2部(V2)5戦全勝で首位を走るアランマーレ山形が今日27日、群馬・桐生市で4戦全勝の2位群馬銀行と「無敗対決」に挑む。相手は昨季V2優勝。直接対決は2戦2敗した強敵だ。開幕から攻守で安定感を見せる木村友里(26)が、チームに勢いをもたらす1勝を誓った。

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闘争心を胸に天王山のコートに立つ。チームは開幕5連勝と好調。だが、木村は「勝ちたい気持ちもあるが、結果にはこだわらないで戦うことを意識したい」と平常心の構えだ。4連勝の群馬銀行は190センチの外国人選手が加入し、さらにチーム力が増した。「毎年高さがあって、個人の能力が高いチーム。こっちはチーム力と相手にはない強さで戦いたい」と口にした。

“攻撃の第1歩”からチームを支える。北原勉監督(41)は5連勝の要因を「超攻撃型バレーが機能していることが一番」と指摘。「セッターがトスを上げる1つ前のプレーで、どれだけボールの勢いを弱められるかがポイント」と強調した。相手のサーブに崩されず、セッターに正確な返球ができるかどうかが勝利の鍵を握っている。サーブレシーブ成功率でチームトップの木村は「(ボールをレシーブする)レセプションは全試合、安定感を持ってやりたい。ディフェンスがうまくいかないと攻撃にはいけないので、自分の中で強みにしてやれたら」と高く意識している。

負けられない一戦に強い思いを込める。V1との入れ替え戦をかけた昨季最終の群馬銀行戦は、試合中盤で負傷交代し、1-3で敗れた。その試合で右アキレス腱(けん)を断裂。長期のリハビリ生活から始まった今季は「(試合で)苦しい時や弱気な自分が出た時に、あの瞬間を思い出して奮い立った。ああいう思いはもうしたくない」。過去の自分の姿をパワーに変え、全力プレーで連勝に貢献してきた。

ケガからの復帰戦となった酒田でのホーム開幕戦で勝利を飾り、木村はファンに「昨シーズンから、この日を目指して本当に毎日頑張ってきたので、支えてくださった方々に本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と語った。

悔し涙で終わったあの日から273日。リベンジマッチで勝利のうれし涙を流す。【相沢孔志】