26年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック(五輪)期待の星がシニアの全国大会で初めて頂点に立った。男子は常呂ジュニアが制した。予選リーグを2勝2敗の2位で通過し、決定戦でTM軽井沢に2連勝して代表権を手にした。11月に日本ジュニア選手権で初優勝したばかりの全員10代のチームは、22年1月の世界選手権最終予選(フィンランド)に臨み、4月の世界選手権(米国)切符に挑戦する。

常呂ジュニアが世界舞台への挑戦権を手にした。王手をかけて臨んだTM軽井沢との決定戦2戦目。8-6で迎えた第10エンド(E)で相手は最後のストーンを投じる時に逆転の可能性がないことを認め、勝利が決定した。4人で集まり、たたえ合って、ささやかに喜んだ。スキップ前田拓海(19)は「今はとりあえず安心。やっと練習の成果が出た」と笑った。

3チームでの戦いだった予選リーグを含めた3戦先勝方式で、1勝1敗で迎えた決定戦初戦は2点を追う第10Eに一挙3得点の大逆転勝ち。立ち上がりから失点してビハインドの展開も、第8Eに3得点で試合をひっくり返した。

今年2月の日本選手権では現在22年北京五輪の世界最終予選(オランダ)に出場中のコンサドーレに善戦して準優勝。高校生チームがシニアのトップチーム相手に躍進した。その強さをさらに高めるため、今季からトレーナーの指導による食事や体力面のケアに力を入れた。さらにロコ・ソラーレなどの練習や強化合宿のパートナーとして声を掛けられるようになった。その経験は成長を後押しした。98年長野五輪代表の敦賀信人コーチ(44)は「2月は若さと勢いと思われたかもしれないが、今回の大会で力がついたことを見せた」とうなずいた。

11月に日本ジュニア選手権で初優勝し、来年3月の世界ジュニア選手権(スウェーデン)の予選となる同1月の世界ジュニアB選手権(フィンランド)の権利をすでに獲得。ジュニアとシニア両方での日本代表を射止めた。チームは26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指し、すでにスタートしている。世界の大舞台を経験することについて前田海は「大きな意味がある。今回の切符を手にしたことは五輪につながる」と受け止める。今年4月に3人が北見工大、東農大北海道に進学した。全員が常呂町(現北見市)出身で、地元から世界へ挑戦する物語は始まったばかりだ。【保坂果那】

○…女子のフォルティウスは中部電力に屈し、3月の世界選手権(カナダ)の代表を逃した。決定戦ラスト3戦目。第9Eで同点に追いつくも、第10Eで勝ち越された。11月で北海道銀行との契約が終了し、新チームとして初めて臨んだ大会。スキップ吉村紗也香(29)は「今まで北海道銀行に支援をいただき、私たちはここまで成長できた。次につながる試合はできた」と前を向いた。