女子で3年連続39度目出場の札幌山の手が、市柏(千葉第2代表)に98-52で快勝し、11年以来10年ぶりの全国制覇へ好発進した。エントリー変更でメンバー入りした谷口憂花(ういか、1年)が14得点の活躍。自身初の全国舞台でチームの勝利に貢献した。

ベンチの起用に谷口は果敢に攻めた。52-22とリードする第3クオーター(Q)残り7分を切った場面でコートに立った。「攻めるしかないと思った。ボールを持ったらゴールを見ることを意識して、強い攻めを心掛けました」。積極的に前に出てシュートを放ち、14得点を挙げる活躍で初戦突破の原動力となった。

試合前夜、同じ1年生の小林真緒に代わりエントリーされることが決まった。「インターハイではメンバーを外されて悔しい思いをしたので、今回メンバーに選ばれてすごくうれしかった」。自身初の全国舞台に「すごく緊張しました」と振り返りながらも、堂々とプレーした。

昨年4強入りしたチームに刺激を受け「自分が強くなるならここだ」と入学を決めた。森岡ほのか主将(2年)は「あの子はシュートもうまいし、決めきれると信じている」と話すなど信頼も厚いが、ハートの面で弱さがあった。「自分はすぐにパス(する相手)を探してしまう。同じことで怒られることが多くて、なんでできないんだろう、となかなか変われないことが悔しかった」。

練習でもがき苦しむことも多かったが、ベンチの上島正光コーチ(78)、神田英基監督(48)からの「攻めろ」というアドバイスをこの日は最後まで実践し続けた。同監督は「その通り攻めてくれた。今日の1つ大きな収穫」と話した。

24日の2回戦は今年の高校総体準優勝の大阪薫英女学院と対戦する。11年ぶりの全国制覇へヤマ場となる。「相手が強いからといって気持ちで逃げたりしないで、山の手らしいバスケットができれば」と引き締めた。【山崎純一】

◆テレビ放送 男子決勝は12月29日午後1時からテレビ朝日系地上波で、女子決勝は12月28日正午からBS朝日でともに生放送。