優勝候補が“V2”に向けて好発進した。昨年王者の仙台大明成(宮城)が同4強の北陸(福井)を98-48で圧勝し、3回戦進出を決めた。内藤晴樹(2年)が3点シュート(3P)5本成功を含む両軍最多23得点。ウィリアムス・ショーン莉音(まりおん、1年)は15得点、同最多22リバウンドの「ダブルダブル」で5年連続初戦突破に導いた。

圧倒的高さを誇る仙台大明成が実力を見せつけた。先発メンバー5人の平均身長は脅威の195・8センチ。第1クオーター(Q)から打点の高いシュートで得点を重ね、守備でも相手を阻み続けて主導権を握った。11点リードの第2Q序盤、3連続得点で一時4点差と迫られたが、ポイントガードの内藤は「試合を作ることも大事だが、得点を取ることは自分の持ち味」と冷静だった。3Pを含む2連続得点で流れを呼び込むと、同Qだけで2度の5連続得点。前半を27点リードで終えた。

後半も勢いを持続し、試合を通して1度も逆転を許さずに試合を終えた。20年の選手権準決勝は2点差で辛勝した相手に2倍以上の点差で圧勝したが、21得点の山崎一渉(いぶ、3年)は「苦しい場面で声をかけてチーム全体でしっかり立て直せたが、自分を含めて気負っている人がいてミスが多くなってしまった」と反省を忘れなかった。

1年生は初めての舞台で役割を全うした。大会前はチーム全体で3Pの精度向上を目指して練習し、198センチのウィリアムスは「選手全員が気楽に打てるように。自分がこぼれ球を絶対に取ってやろうという気持ちで練習してきた」と、持ち味のリバウンドをさらに磨いて試合に挑んだ。この日、5本の3Pを成功した山崎一も「リバウンドを忠実にやるプレーヤーなので(コートに)いるとすごく助かる。足りない部分は自分たち3年生が補いたい」と信頼を寄せた。

今日26日の3回戦は、今夏の全国高校総体2回戦で勝利した西海学園(長崎)との一戦。北陸と同様、雪辱に燃えている。3P成功は10本中5本、成功率5割の内藤は「確率は自分としてはまだまだ。次はもっと自信を持って確率良く決めていきたい」と気持ちを引き締めた。“V2”まであと4勝。明成の冬は、まだ終わらない。【相沢孔志】

◆テレビ放送 男子決勝は12月29日午後1時からテレビ朝日系地上波で、女子決勝は12月28日正午からBS朝日でともに生放送。