追い求めるのは9歳の「羽生結弦」。

フィギュアスケート男子で3連覇がかかる北京五輪代表に決まった羽生結弦(27=ANA)が27日、1つの理想像を口にした。

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「技術的にはいまが間違いなく一番強いです。ただ精神的にはあの頃が一番で輝いている。あのころの自分を大切にしたいと思ってます」

言及した「あのころ」とは9歳。スケートを始めて数年だったが、逃げ出したくなるような練習にも立ち向かい、そして初出場の全日本ノービスBで優勝を飾っていた。

「あの頃の強いところは勝てるところです」

「何やっても勝てるみたいな自信が(あった)。なんて言えばいいんだろう、勝つことに関しては一番必要だとは思う。ただ、そういう自信を持てるのは、あの時なりにすごく練習していたからなんですよね。誰よりも練習してると思いましたし、誰よりもうまいと思いましたし」

そう、懐かしんだ。そして続けた。

「五輪はそれがもっともっと、何よりも必要になる場所」

ソチ、平昌。過去2大会を戦い抜く中で得た実感が、9歳の自分の価値を一層高めた。だから、いま「理想」とまで言う。

「アクセルを含めて、しっかり練習していきたい」

全日本選手権では、世界初の4回転半の成功に挑んだ。あと1カ月と少し先に見据える3度目の五輪。9歳の自分も追い求めながら、勝ちにいく。