初出場の専大玉名(熊本)が若狭東(福井)を35-12で下し、悲願の花園1勝を飾った。FW陣がスクラム、モールで圧倒。終始主導権を握った。

熊本大会で頸椎(けいつい)を損傷したフッカー宮本翔平(3年)はベンチで観戦。「宮本の分まで」と発奮したチームメートが記念星を贈った。高鍋(宮崎)は磐城(福島)に完封勝利、大津緑洋(山口)も2回戦へ進んだ。

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「宮本の分まで」。初出場の専大玉名に、動揺する暇はなかった。前半5分。ゴール目前でペナルティーを獲得すると、プロップ小川がリスタートを仕掛けて突破。一気に流れに乗り、スクラム、モールで圧倒した。小川は「相手のスクラムが高かった。低いスクラムを組めば勝てる自信がありました」と、胸を張った。後半は2度もラインアウトモールからトライ。初出場で記念すべき花園1勝を飾った。

仲間の無念を背負い、戦った。熊本大会の初戦で、主力フッカー宮本がラック中のプレーで頸椎(けいつい)を損傷。担架で運ばれた瞬間から「翔平の分までやって、しっかり勝っていこう」と全員で誓った。CTBの竹下主将は「ラグビー部のことをいつも一番に考えてくれていた。宮本の前で1勝できたのは本当に大きい」と感無量だった。

宮本は12月24日に退院したばかり。この日はベンチで勝利を見届けた。「花園っていいな」。負傷した時は頭の整理がつかなかったが「チームメートが自分のためにと掲げてやってくれていたので、自分も頑張らなくちゃいけないと思いました」。普段は明るい性格のムードメーカー。試合には出られないが「チームの雰囲気を良くする明るい言葉をかけていきたいです」と、サポート役を誓った。

次戦は優勝候補の大本命、東福岡。難敵だが、簡単に熊本には帰れない。竹下主将は「食らいつく」と気合を入れた。専大玉名の意地を見せる。【只松憲】

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