フィギュアスケートの全米選手権は8日、米テネシー州ナッシュビルで男子ショートプログラム(SP)が行われ、世界選手権3連覇中のネーサン・チェン(22)が115・39点で首位発進した。

曲を19-20年シーズンの「ラ・ボエーム」に戻しての演技。国際スケート連盟公認大会で世界歴代2位の110・38点の記録を持つプログラムを優雅に演じた。冒頭の4回転フリップ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めると、後半に跳んだのは4回転ルッツ-3回転トーループ。演技を終えると、気迫を感じさせる表情をみせた。

「今大会をうまく滑り出してうれしい」。昨年12月のグランプリファイナルが新型コロナウイルスの影響で中止。久々の実戦で圧巻の演技。北京五輪で3連覇を狙う羽生の最大のライバルと目される強豪は「確実に自分のスケート人生で際立ったSPの1つ」とこの日の内容に自信を示した。

2位にはビンセント・ジョウが112・78点、3位はイリヤ・マリニンで103・46点、4位はジェイソン・ブラウンが100・84点でつけた。フリーは9日(日本時間10日)に行われ、3枠の北京五輪の米国代表は今大会の成績を考慮して選ばれる。