ラグビー「リーグワン」の第6節トヨタヴェルブリッツ-コベルコ神戸スティーラーズ戦(19日、パロマ瑞穂ラグビー場)の出場メンバーが17日、発表され、神戸のフランカー前田剛(26)が4年目にしてリーグ戦初スタメンに名を連ねた。神戸はこの日、神戸市内で練習。前田は「ずっと出たい、出たいと思ってきた。素直にうれしいです」と声を弾ませた。

兵庫県宝塚市生まれで伊丹RS-報徳学園-明大を経て、18年に神戸入り。長尾小では神戸製鋼ファンクラブに籍を置き、元日本代表WTB大畑大介氏にサインをもらった。異色と言えるほどの生粋さを持つ。

厚い選手層に阻まれ、昨季まではBチームで力を蓄えた。FWとしては小柄な身長178センチ、体重97キロ。入団直後、現主将のフランカー橋本大輝にタックルに行って、吹っ飛ばされた。「ちっちゃいヤツはしっかり芯をズラして当たらんとあかん」と教わった。

それが原点。その橋本が6日の第5節東葛戦(旧NEC)で脳振とうを起こし、今回は大事をとって欠場。代役に抜てきされた。

「大学卒業時とサイズ、数値は変わらないけど、コンタクトの力は確実に上がってきた自信があります」

現在、リーグ8位。勝てば今季初の連勝で、3勝3敗の五分になる。

「僕が抜てきされたのは、フィジカルを買われたからやと思います。トヨタさんとはフィジカルバトルになる。激しさをしっかり出していきたい。完璧なタックルを2、3本は決めたい」

リーグ戦初出場だった1月29日の埼玉戦は途中出場で2分だけ。今度は試合開始から“神戸っ子”が闘志満々、フィールドに立つ。【加藤裕一】