オリンピック(五輪)メダリストを数多く輩出してきたスピードスケートの名門、日本電産サンキョーが1日、スケート部を廃部すると発表した。

同部は「三協精機スケート部」として1957年(昭32)に創部して以来、五輪で金3個、銀2個、銅3個の計8個のメダルを獲得。先月の北京五輪には、女子団体追い抜きで銀メダルを獲得した高木菜那(29)が出場していた。3月31日をもって廃部する。

今村俊明監督によると北京五輪後に部の存続について議論が持ち上がったという。「1人(高木菜)しか五輪に行けなかったので仕方がない。歴史を築いてきたOBや応援してくださった地域の方々に申し訳ない」と責任を背負い、「マイナースポーツで、大所帯を支えてくれた会社には感謝したい」とも述べた。

◆日本電産サンキョー 所在地は長野県下諏訪町。1957年(昭32)に三協精機スケート部として発足。03年8月に日本電産と資本提携し、05年10月から現在の社名。米雑誌フォーブスで日本の資産家として紹介される永守重信氏が同社会長。スケート部は30人以上の五輪選手を輩出。清水宏保、長島圭一郎、加藤条治、高木菜那ら5人の五輪メダリストがおり、金3、銀2、銅3と計8個のメダルを獲得した。