ノルディックスキー・ジャンプ男子で北京五輪ノーマルヒル金、ラージヒル銀メダルの小林陵侑(25=土屋ホーム)が29日、海外遠征から帰国した。

昨年11月以来約5カ月ぶりの日本。その期間では五輪で日本勢28年ぶりの金メダル獲得、3季ぶり2度目の年末年始のジャンプ総合優勝、W杯個人総合優勝を達成した。「長いシーズンずっといい感じで戦い続けられた。すごくいいシーズンになった」と振り返った。

2度目の王者に輝いた貫禄があった。18-19年に初めてジャンプ週間と総合を制した。ジャンプ週間で獲得した黄金のワシのトロフィーは大きく羽を広げたデザイン。サイズの合うケースがなく、前回はリュックに入れて日本に持ち帰ると、傷だらけになってしまった。その反省を生かし、今回は手荷物でそのまま運んだ。新千歳空港に到着すると、スーツケースなどを積んだカートに黄金のワシも乗り、輝きを放っていた。

だが、ハプニングも発生した。報道陣の撮影のためにW杯個人総合優勝のクリスタルトロフィーも披露しようとしたが、ケースの鍵を探しても見つからず。「どこかに行きました」と苦笑いだった。長いシーズンを戦い終え、疲れた様子。「食べたいものがたくさんありすぎて選べない」と話していたが、空港で出迎えたお気に入りのラーメン店の大将を見つけ「明日行こうかな」と、久しぶりのしょうゆラーメンを楽しみにしていた。

五輪でブレークし、オフも忙しい日々を送りそうだ。ジャンプファンが増えることが喜びで「たくさんの人に応援してもらったと感じる。来季もぜひジャンプを楽しんでもらえたら」と呼びかけていた。