国際オリンピック委員会(IOC)は14日、昨夏の東京オリンピック(五輪)調整委員会の副委員長を務めたイスラエルのIOC委員、アレックス・ギラディ氏が死去したと発表した。79歳。前日13日に、がんの治療を受けていたロンドン市内の病院で亡くなったという。

第2次世界大戦から逃れたポーランド系ユダヤ人の子としてテヘランで生まれたギラディ氏は60年代後半にイスラエルのスポーツテレビで働き始め、後に米NBCスポーツの幹部となった。IOC委員には94年に就任。東京五輪の準備状況を監督する調整委の副委員長として、ジョン・コーツ委員長(オーストラリア)と日本でも活動していた。24年パリ五輪の調整委メンバーにも名を連ねていた。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長はコメントを出し、以下のように追悼した。

「アレックス・ギラディ氏の訃報に接し、心から哀悼の意を表します。ギラディ氏には、IOC調整委員会の副委員長として何度も来日いただき、東京2020大会の準備を支えていただきました。数々の調整委員会で委員を歴任されたご経験から、大会の成功に向けて私たちの準備がどうあるべきか、時に厳しく、ご助言をいただきました」

「東京、日本のことを深く愛され、史上初の延期となって困難を乗り越えて開催した東京2020大会を本当に評価いただき、先日北京(五輪)でお目にかかった時も、私たちに笑顔でねぎらいの言葉をかけていただけたことは、強く印象に残っています」

「世界が1つに集うオリンピックの唯一無二の価値をいつも信じ、ムーブメントの推進に尽力されたギラディ氏の思いを胸に、大会関係者一同、東京2020大会のレガシーを次世代にしっかり継承していきたいと思います」