レスリングのアジア選手権(19~24日、ウランバートル)に出場する日本代表が17日、渡航前にオンラインで取材に応じ、女子53キロ級で公式戦93連勝中の藤波朱理(あかり、18=日体大)は「目標は優勝です」と笑顔で抱負を語った。

調整は「いつも通り、いい感じ」といい「現地は乾燥していて汗をかきにくいと聞いているので、こっちでしっかり落としています」と説明。10日に都内で行われたクイーンズ杯にも出場しており「そこで体重をいったん落としたこともプラス」と万全の状態だ。

そのクイーンズ杯で中学から続く連勝を伸ばしたが「最近、連勝記録のことを言っていただくことが多くなったんですけど、自分にとっては過去のこと。今は前しか見ていないですし、負ける怖さもない」。通過点として気にしていない。 4月に入学した日体大では、オリンピック(五輪)4連覇のレジェンド伊調馨さんの指導を受けている。

「直接の言葉とかじゃないんですけど、一緒に組み合う中で学ぶことばかり。1本のスパーリングに対する集中力や、タックルに入れても、そこからがうまいので取れなかったり」

だからこそ分かる。連勝記録に対する重圧があるか問われても「普段からプレッシャーは感じないですね」。その理由については、こう強調した。

「伊調さんとか、自分と比にならないくらいの重圧を経験している。今の自分はプレッシャーとか言ってられない、ちっぽけな感じなので。今は勝つことしか考えていないです」

もちろん、特段の意識はしなくても24年パリ五輪に向けて「無敗で金メダル」の目標には突き進む。

昨年10月の世界選手権は高校生ながら初出場で金メダル。続く初出場のアジア選手権も負けるつもりはない。

「タックルに入ってからの処理とか、世界選手権から、より進化した自分を見せられるように」

自身を奮い立たせるためにも、ご褒美は用意している。

「芋けんぴを山ほど食べたいですね。日本から買って持っていきます。試合が終わったら食べまくりたい」

もちろん「しっかり優勝してから」と笑顔で付け加えたパリ五輪の星が初のアジアでも記録を更新する。【木下淳】