ショートプログラム(SP)11位の渡辺倫果(19=法大)はフリー105・48点の合計165・44点で演技を終えた。1つ順位を上げて総合10位となった。

冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒し、前半最後のループも1回転に。連続ジャンプはそろえたものの、後半のルッツが2回転で転倒するなど精彩を欠いた。

新型コロナ禍で拠点のカナダに戻れず、MFアカデミー(千葉・南船橋)に移った今季。大きな目標だったユニバーシアード大会も中止になるなど不運にも見舞われたが、国内に軸足を置き、中庭健介コーチらに師事して状態が上向いた。

昨年末の全日本選手権では、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら3回転半に成功。先月のプランタン杯(ルクセンブルク)では優勝した。

飛躍のシーズンとなったが、最後は不完全燃焼。自分でも信じられない。試合後は浮かない表情で「率直に申し訳ない思いです。世界の大きさを知りました。プレッシャー、気持ちの面で(主要国際大会は)計り知れないくらい大変なもんなんだな」と痛感した。

ループやルッツのミスなど「練習でもしない失敗」と言い「自分でも予想できなかった」と悔しそうに振り返る。それでも「全日本でいい演技をしたり、自分の力でつかんだ自信は今後の役に立つんじゃないかな」。世界大会で「アクセルを跳べたことは良かった」と一定の手応えも得た。

来季へ「一から練習をやり直したい。次は世界ジュニアではなく、違った形でリベンジできたらなと思います」と自分に約束した。【木下淳】