体操女子で12年ロンドン、16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)代表の寺本明日香(26)が25日、所属するミキハウス本社(大阪・八尾市)で引退会見に臨んだ。

スーツ姿、髪をショートカットにして登壇した。

「今の気持ちはすがすがしいです。(昨夏の)東京五輪の正式メンバーに選ばれず(五輪が)終わった後に引退しようと思っていました。ただ、休んでいた時に物足りなさ、モヤモヤを感じていた。東京五輪の間、『私はここで終わってしまうのか』。長い間悩んで、22年の全日本までやろう、と。昨年の秋から冬にかけて(4月の)全日本で終わろうと考えました。7~8割はそういう(引退の)気持ち。(一方で)2~3割はまだ続けようかなという思いもあった」

現役への未練を抱えながらも、体は限界だった。

「(五輪を目指しながら)保ち続けてきたものが、同じ生活、同じ食事をしながら気をつけても、戻すことができなかったです。特に古傷。もう10数年、ケガをしていた右足。足首から足全体が戻らなかった。世界と戦う上で、このくらいの技とこのくらいの練習をしないといけないというものがある。でも、それをすると、足が限界でした。今年に入って、『終わりになる試合をやろう』という思いになった」

小学1年から本格的に競技を始め、21日の全日本個人総合選手権が現役最後になった。

「体操を選んで良かったです。途中で、嫌いになったことがあったんです。でも嫌いなのに体育館に足を運んでいた。体操がなければ、私の人生はなかった」

12年ロンドン五輪は団体8位、16年リオ五輪は個人8位、団体4位。

「これから新たな人生を歩む。女の子がショートカットにするのには、理由があるんですけど。私の場合は、このタイミングだなと思いました」

かわいらしい笑顔で、素直な心境を語った。【益子浩一】