ラグビーで日本代表候補とのチャリティーマッチ(11日、東京・秩父宮ラグビー場)に向けて結成された「トンガ・サムライフィフティーン」が5日、高知県内で合宿を開始した。

1月にトンガ北部の海底火山が大規模噴火に見舞われ、復興支援などを目的に行われる一戦。80年に「そろばん留学」としてトンガから大東大に入学し、両国の懸け橋となった元日本代表ノフォムリ・タウモエフォラウ団長(65)は「日本でこういう試合をやれるとは、40年前は夢にも思わなかった」と丁寧な日本語で言葉を紡いだ。

タウモエフォラウ団長は今から42年前に「そろばん」をきっかけに来日。当時のトンガは小学生へのそろばん指導に苦労しており、国王トゥポウ4世と大東大の故中野敏雄部長が親交があったことから、同大学で受け入れて教育することが決まった。最初の留学生がタウモエフォラウ団長と、ホポイ・タイオネさん。そこからトンガ出身選手が来日する流れが生まれ、日本ラグビー界の発展につながった。

現在も埼玉工大のスタッフとして活動するタウモエフォラウ団長は、チャリティーマッチ実現に感謝が尽きなかったという。

「本当にありがたく、頭が上がらない。ものすごく責任を感じます。なぁなぁな試合ではなく、いい試合をしたい。お客さんが面白い試合をしたいです」

その思いはトンガとのつながりを持つ選手を中心に構成された、チームにも伝わっている。フランカーのバツベイ・シオネ主将(39=クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)も力を込めた。

「日本の皆さんに感謝したい。自分たちの強みはフィジカル。そこをどんどん使って、前に出たいです」

相手の日本代表候補の選手たちも23年W杯フランス大会を目指し、必死でアピールする一戦となる。注目のチャリティーマッチはトンガでもテレビ中継される予定で、バツベイは「トンガの友達、家族にも見てもらえる。最高のパフォーマンスをしないといけない」と意気込んだ。【松本航】

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