【解説】ラグビーの日本代表(世界ランク10位)は25日に、ウルグアイ代表(同19位)とのテストマッチ第2戦を福岡県のミクニワールドスタジアム北九州で戦う。23日はメンバーを発表。来年のワールドカップ(W杯)フランス大会に向け、各ポジションで生き残りをかけた争いが始まる。

特に注目されるのが、世界的にフライハーフと呼ばれる10番のSOだ。

19年W杯日本大会で全5試合に先発し主軸を担ったSO田村優(33=横浜)が、現在は代表の2軍にあたるナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)で活動。NDSのメンバーで臨んだウルグアイとの第1戦(18日)に主将として出場し34-15の勝利に貢献しながら、「1軍昇格」は見送られた。

田村とともに代表を支えてきたSO松田力也(28=埼玉)は故障のため招集されず。中心選手2人が不在となっている。

ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は、ウルグアイとの第2戦で10番に山沢拓也(27=埼玉)を抜てき。17年以来、5年ぶりのテストマッチとなる。

会見で同HCは「山沢は国内(リーグワン)でセミファイナル、ファイナルと試合を通じて成長している。リードできる10番で、さらにステップアップできる可能性を持っている。年齢的にも成熟しているし、彼のパフォーマンスは楽しみにしている」と語った。

キック、パス、ラン。中学まで本格的にサッカーをしていた山沢は、いずれも光るものがある。かつてのサッカーと同じように、司令塔=ファンタジスタとして魅了するプレーが持ち味。生き残りとともに、一気に代表のレギュラーを奪い取る千載一遇のチャンスになる。

SOのリザーブには、神戸で急成長し、初代表の李承信(リ・スンシン、21)が入った。初キャップを目指す中尾隼太(27=BL東京)も含め、5人がW杯メンバー入りをかけたサバイバルを繰り広げる。同HCは「李はタフで若い。少しずつ(代表に)慣れている。日本ラグビーにとって貴重な選手だ」と評した。

プロップ3番は木津悠輔(26=トヨタ)、ロックには流通経大柏高出身で20歳のワーナー・ディアンズ、CTBにはリーグワンでの活躍が評価された梶村祐介(26=横浜)、FBは野口竜司(26=埼玉)を先発起用する。

SOを筆頭に、各ポジションで定位置争いが激化しそうだ。

 

【日本代表のウルグアイ戦メンバー(C=キャップ数)】

1 稲垣啓太(埼玉、39C)

2 坂手淳史(埼玉、27C)※主将

3 木津悠輔(トヨタ、3C)

4 ジャック・コーネルセン(埼玉、6C)

5 ワーナー・ディアンズ(BL東京、1C)

6 リーチ・マイケル(BL東京、72C)

7 ベン・ガンター(埼玉、2C)

8 ファウルア・マキシ(東京ベイ、2C)

9 斉藤直人(東京SG、6C)

10 山沢拓也(埼玉、3C)

11 シオサイア・フィフィタ(花園、6C)

12 梶村祐介(横浜、1C)

13 ディラン・ライリー(埼玉、4C)

14 ゲラード・ファンデンヒーファー(東京ベイ、0C)

15 野口竜司(埼玉、13C)

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16 堀江翔太(埼玉、66C)

17 森川由起乙(東京SG、0C)

18 ヴァルアサエリ愛(埼玉、20C)

19 サナイラ・ワクァ(花園、0C)

20 古川聖人(トヨタ、2C)

21 中嶋大希(神戸、2C)

22 李承信(神戸、0C)

23 中野将伍(東京SG、2C)